ご挨拶

第8回一般社団法人日本放射線看護学会学術集会

テーマ : ― 原発事故から8年 -

すべての人々のWell-Beingをめざす放射線看護
 
会長 末永 カツ子(福島県立医科大学大学院)
  

   このたび、福島市で第8回日本放射線看護学会学術集会を上記のテーマと日程で開催させて頂きます。テーマの「Well-Being」には原発事故後に避難した方々を含め、すべての人々の幸せに貢献できる学術集会にしたいとの願いをこめました。
   東京電力福島第一原子力発電所事故から8年がたちましたが避難指示が解除されていない地域がまだ残っています。避難解除された地域では徐々に住民の帰還が進んでおりますが、帰還された方々の大半は高齢者が占めており、帰還率も依然として厳しい状況にあります。また、岩手、宮城と比べ、突出して震災関連死が多く、命を脅かす心の傷や重度のストレスを抱える人々の数が上回っています。長期避難により壊れてしまった地域社会の再生は大変なことです。この地域の復興はこれからです。また、帰還された方々の中には、自ら助けを求めない方々もおられアウトリーチが必要です。今後も、引き続き心と体の健康を支えていくとりくみが求められています。
   このような中で、帰還された方々が主体となる生活と地域を立て直す多くの活動が展開されています。そこで、本学術集会では福島の姿を知って頂くために、原発事故の周辺地の復興ツアーや公開講座、シンポジウム及び最新の医療現場のトピックスや交流集会などを企画し、復興をめざし現地で活動されてきた多数の方々にご登壇して頂きたいと考えて準備を進めております。
    福島県は、美しい自然と歴史と伝統の中で豊かな文化が育まれてきました。本学術集会の開催時期にはおいしいくだものが収穫されます。もちろん、日本一の日本酒や和洋菓子などの食も堪能して頂けます。福島を楽しみながら、福島の現況を直にご覧頂きたいと思います。皆様のお越しを心からお待ち申しあげております。

2019年3月吉日